ラブブ(Labubu)とは?人気キャラクターの魅力と偽物・商標トラブル
ラブブとは?
ラブブ(Labubu)は、香港出身アーティスト・Kasing Lung(龍家昇)氏が創作した「The Monsters」シリーズのキャラクターです。鋭い歯と愛らしい表情が特徴で、中国発のトイメーカー POP MART(ポップマート) がブラインドボックス形式で商品化したことで一躍世界的人気を獲得しました。
BLACKPINKのリサさんや日本の人気アイドルが愛用したこともあり、アジアを中心にコレクター熱が高まり、限定品は高額で取引されるほどの人気となっています。
偽物トラブルの拡大
ラブブの人気と品薄を背景に、偽物トラブルが深刻化しています。
- 模造品の流通増加
2025年には偽造品の流通量が前年の2倍以上に増加。中国・河北省などで大量生産され、オリジナルの数分の一の価格で販売されています。 - 安全性の問題
偽造品は粗悪な素材で作られており、小さな部品が外れやすく、子どもが誤飲・窒息する危険性も指摘されています。 - 詐欺サイトやSNS広告
偽物の販売だけでなく、商品が届かない「詐欺サイト」や「偽広告」も横行。数万円から数十万円を失う被害報告も増えています。
偽物を見分けるチェックポイント
本物と偽物を区別するには、以下の点を確認するのが有効です。
- 外箱やタグの QRコード/ホログラム認証
- 歯の本数(本物は9本)や造形の精密さ
- 顔の色味(自然なピーチ色、光沢ある目)
- 右足の UVスタンプ(2024年以降モデル)
- 箱の紙質や印刷の精細さ
少しでも不審な点があれば購入を控え、必ず 公式ストアや正規販売店 から入手することが推奨されます。
商標と知財の状況
ラブブは世界的な知財保護の対象ですが、その道のりは平坦ではありません。
- ポップマートの商標登録
- 2016年:中国などで商標登録開始
- 2019年:米国で登録
- 2024年:EU・英国でも出願開始
- 問題点:冒認出願(不正先取り出願)
ラブブの人気に便乗し、第三者が「LABUBU」や類似名(LABU BU、LUBUBU、LALABU など)を商標出願するケースが各国で多数確認されています。 - 商品区分の拡散
玩具だけでなく、衣料品、文具、アクセサリーといった幅広い分野で冒認出願が見られ、ブランド拡張の妨げとなっています。 - 異議申立てと課題
ポップマートはEUIPOなどで異議申立てを行っていますが、著名性を証明する証拠が不十分な場合は権利を守りきれないリスクも指摘されています。
ブランド保護のためにできること
ラブブの事例は、人気キャラクターが直面する典型的な知財リスクを示しています。ブランドや消費者が取るべき対策は以下の通りです。
- 企業側の対策
- 防御的商標出願(類似形態を先取り登録)
- 販売実績やSNSの拡散力を証拠に著名性を立証
- 商標だけでなく著作権でも保護を強化
- 消費者側の注意
- 正規ルートで購入する
- 不審なサイト・SNS広告を避ける
- 決済は追跡可能な方法を利用する
まとめ
ラブブは世界中で愛されるキャラクターに成長しましたが、その一方で 偽物の氾濫と冒認出願のリスク に直面しています。
ポップマートは各国で商標登録を進めつつ、異議申立てや証拠収集を通じて権利強化を図っています。しかし、知財戦略の遅れや冒認出願の多さが課題です。
消費者としても、偽物被害に巻き込まれないよう注意を払い、正規ルートから安心して購入することが重要です。