【知財ニュース】MTG、旅行に関する商標を出願~ウェルネス融合で新市場開拓へ~
「美旅」商標を出願
出願番号:商願2025-11521
出願日:令和7(2025)年 2月 5日
公開日:令和7(2025)年 2月 14日

2025年2月、株式会社MTGは「旅行」「宿泊」「美容・健康セミナー」などを含む広範なサービスを対象とした商標「美旅」の出願を行いました。
昨年、旅行代理店ジェイエスティを完全子会社化する株式交換契約を発表していることから、美容・健康に特化した既存事業と旅行業を掛け合わせた、ユニークな事業展開が見込まれています。
M&Aの背景と事実
株式会社MTGは、海外旅行専門の旅行代理店「株式会社ジェイエスティ(JST)」を完全子会社化する株式交換契約を締結しました。
JSTは名古屋を拠点とする老舗の旅行会社であり、特に「学生旅行」「教育旅行」「研修・国際交流」などのテーマ型旅行に強みを持つ企業です。
この買収により、MTGは美容・健康機器に加え、体験型・滞在型のウェルネス領域への進出の足掛かりを得たといえます。
有価証券報告書から読み解く事業構造の変化
MTGはこれまで、以下の4つのチャネルで売上を構成していました
- ダイレクトマーケティング(EC・TV通販)
- リテールストア(家電量販店、バラエティショップ)
- プロフェッショナル(サロン)
- スマートリング(EVERING)
- 海外卸売
- その他(EV等)
2024年9月期時点では、まだ「旅行」や「体験型サービス」は独立したセグメントにはなっておらず、今後事業の拡大とともに新たなセグメントとして追加されると考えられます。
旅行・ウェルネスの融合事業の展望(予想)
「体験+健康機器」のパッケージ商品
MTGが強みとする美容EMS、ストレッチギア、フェイスケア機器などは「宿泊施設・旅行体験と組み合わせることで付加価値を高める」余地があります。
これは、すでに既存のホテル事業者へ商品提供をしたプロフェッショナル事業で実装されていますが、JSTによってさらに推進される可能性も考えられます。
例:
- 温泉旅館×SIXPAD体験
- ヘルスツーリズム×顔トレーニングセミナー
- ヨガ・瞑想旅行×ReFa製品とのセット販売
教育旅行・国際交流とのシナジー
JSTが手掛ける「学生向け研修旅行」は、MTGの「若年層ターゲティング戦略」と親和性が高く、以下のような展開が期待されます(予想):
- 海外インターン+MTGグローバルブランド体験
- ビジネス研修旅行でMTG本社訪問などの企業体験企画(計画されている新本社の活用?)
商標出願と将来のブランド化
旅行・宿泊・体験サービスに関する商標を出願したことから、旅行部門の独自ブランド化・外販化も視野にあると考えられます(※商標出願内容は特許情報プラットフォームなどで確認可能)。
まとめ
MTGによるJSTの買収は、単なる事業多角化にとどまらず、「健康・美容×体験型消費」という新しい市場の創出に向けた布石と期待できます。
ウェルネスブームが続く中、製品起点ではなく体験起点のブランド展開を志向するこの動きは、MTGの新たな成長ドライバーとなる可能性を秘めています。